Kyoto Nature Hiking -京都の自然、ハイキング情報-

京都の自然やハイキング情報について、京都市在住の森林インストラクターが書くブログです。3児の父。親子で山も歩いています。年に何度か日本アルプスも。

八丁平・峰床山

5/20(日)子二人と友人とその子二人の計6人で
八丁平・峰床山へ行ってきました。


京都市街地周辺の山は
すっかり新緑に覆われましたが、
ここではまだまだ
新緑が展開中です。


床山山頂付近のブナがきれいでした。


友人の子二人は、うちの子二人と
同級生(小2と年長さん)。
久しぶりに会ったのに、
車内で早速打ち解けて
子どもなりの下ネタで盛り上がっています。
万国共通の話題!


山に着いてからも元気いっぱいで
楽しんでくれたようでした。


友人の子二人は久しぶりの山ですが、
アップダウンの少ないこのコースなので
がんばって歩き通せたのだと思います。
いつもの二の谷往復です。


八丁平の湿原に入ってすぐ、
トリカブトの群落で
茎の先の方がなくなっています。

シカが食べたの??
人間がちぎったのでしょうか。
謎です・・・。
全草猛毒なので、触れたくもありません。


湿原の周囲ではズミが満開でした。

ズミという名はいくつかの意味がありますが、
このズミは「染み」からきていりうようで、
樹皮を染料に用いるから名付けられたようです。



さて、過去に何度も遭遇しているのですが、
この日はちょうど鯖街道ウルトラマラソン
開催日だったようで、
八丁平周辺の道にランナーのみなさんが
走っていかれます。
主催者の公式HPはこちら


全長76km!(ショートコースは45km)
福井県の小浜から出町柳まで
往時の鯖街道を走ってみようという
イベントのようです。
AM6時スタートで、優勝者で約6時間半。
鉄人ですね!
ひざが強くない僕には絶対に真似できません。


両コース合計で700人以上の方が
参加されたようです。すごいなぁ。
老若男女色んな方が走っていかれました。
子ども達は喜んで声援を送っていました。
うるさくてすいませんでした・・・。


子ども達がランナーの方達の邪魔を
してしまいそうなので、
コースから外れて、山頂までの
ショートカット尾根を歩きます。


前回5月6日に咲いていたシャクナゲ
この日もまだ咲いていました。


山頂付近では新緑の中、ツツジの彩りが
きれいでした。



場所は明記しませんが、
キツツキが開けた穴から
鳥のひなの声が聞こえます。


一人なら、少し離れたところから
親鳥が戻ってくる様子を
観察したかったのですが、
子ども達がどんどん先に行ってしまうので、
泣く泣くその場を離れました。


キツツキのひなかなと思っていましたが、
少し後にお会いした鳥見のKさんが
「たぶんカラ類やろう」とおっしゃっていたので、
納得しました。
八丁平ではしょっちゅうお会いする方です。


以前、アオゲラの巣を観察したことがあるのですが、
ひな達はそれは大きな声でえさをねだります。
敵に見つかってしまうで!と忠告したい
ぐらい、大きな声です。


そう考えると、穴を開けたのはキツツキでも、
中の住人はとても小さな声だったので
たぶんカラ類でしょう。


Kさんは鳥の水浴びを観察されていました。
ちょうど、ヒガラとコガラが水浴びに
近くに寄ってきて、感動でした。


コガラが美しい声で間近でさえずるのを
初めて見ました。
さすがにええ場所をご存知です。


Kさんと一緒にもっと水浴びを
観察したかったのですが、
子ども達はさらにどんどん先へ
進んでいるので、仕方なく
先を急ぎました。


これを見られることはないかと思いますが、
Kさん、いつも丁寧にお教えいただき
ありがとうございます。


この日聞こえたり見た鳥達は、
ミソサザイアオゲラオオルリキビタキ
ツツドリ、ウグイス、イカル、ヒガラ、コガラ
など。


最後に、八丁平周辺の林床の様子。

以前はササが茂っていたのですが、
一斉開花による枯死、その後に芽吹くはずの
新芽をシカに食い尽くされたために、
林床には何も生えていないように見えます。


夏の間だけ、イワヒメワラビなどの
シカが食べないシダ類が茂りますが、
それ以外の季節は林床には何もありません。


大きな木が根っこから倒れている光景を
よく見ます。
せっかくしっかりササが捕まえていた地面が
ササがなくなったせいでゆるくなったためではないかと
考えています。


次世代の若い木もありません。
種は地面に落ち、芽吹くものの、
ことどとくシカに食べられているからだと
思われます。


木々が根でつかまえていた地面が
ゆるくなり、
集中豪雨など近年の異常気象もあり、
日本の山はこれから土砂崩れが
頻発するのではないかと危惧しています。
(報道されるのは、人家や道路に被害が
 及んだ時だけでしょう。)


実際に山を歩いてみれば
よく分かります。
そのような意見もあると
頭の片隅に置きながら、
山を歩いてみてください。
何ができるか、多くの知恵が必要です。