Kyoto Nature Hiking -京都の自然、ハイキング情報-

京都の自然やハイキング情報について、京都市在住の森林インストラクターが書くブログです。3児の父。親子で山も歩いています。年に何度か日本アルプスも。

奥の深谷 右岸~左岸(古道標~奥の深谷~牛コバ)

坊村から奥の深谷へ行ってきました。

今回も単独です。

 

坊村から牛コバへ向かう林道を歩き、

途中、シャクシコバの頭の南西尾根に

取り付き、古い標識(「古道標」)から

奥の深谷右岸を歩き、奥の深谷に着いてからは

左岸を牛コバへ下りるルートです。

 

御殿山の中腹。

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雨上がりなので、

雨がだいぶ葉を落としたようです。

 

シャクシコバの頭の南西尾根に

取り付きから入山。

 

すぐに小屋があり、周辺に

アスナロが植えてあるようです。

特徴ある葉がたくさん落ちていました。

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ヒノキの仲間で、

葉裏の白い気孔帯がWに見えるのが特徴です。

同じくヒノキ科のサワラは、

葉裏の白い気孔帯がXに見えます。

ヒノキはYに見えます。

WXYで覚えやすいです。

 

今年3回目の古い標識(「古道標」)。

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今回は「大モミを経て大橋小屋」への

ルートです。

 

少し進んで枝の小さな通せんぼ。

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通行止めならもっと強く警告してあるはずです。

「行くな」ではなく、

「行けんことはないけど、知らんで」

という意味なのかなと思いました。

 

歩きにくいことはどなたかのブログで見たような

気がしますが、どんな道か見てみたい。

あかんかったら引き返そう。

探究心です。

 

落ち葉がだいぶ降り積もっていて、

この土日は誰も歩いていない感じでした。

いや、先週も歩いてないかも。

 

5分ほどで「大モミ」らしき大きなモミ。

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その直下に至る道が谷のトラバースになっていて、

少し怖かったです。

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中央に落ち葉が積もっている

獣道のようなトラバース。

後から思えば、ここは大したトラバースではないので、

ロープもありません。

 

大モミ直下の太い根。

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競輪選手の太もものように感じました。

巨体を支えるにはこれぐらい太くないと

いけません。

 

トラバース以外の道は歩きやすかったんですが、

崩壊中の谷のトラバースがとにかく怖かった。

2つ目のトラバース。

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どこを歩けって言うんですか。。。

 

子ども達と山を歩く時、

ロープはあくまで補助。頼らない。

とよく言うんですが、

ここでは頼らないと滑落です。

 

斜面に左手をつき、

右手はロープを離せません。

久しぶりに足が震えます。

 

渡りきってから、

あぁ、怖かった。。。

緊張と解放。

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写真では伝わらないと思います。

 

落ちても途中で止まる。

と自分に言い聞かせましたが、

大した根拠はありませんでした・・・。

 

次のトラバース。

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ここもまあまあ怖かったんですが、

まだましやったような・・・。

 

ほんまの獣道のような細い道幅で、

その上に落ち葉が降り積もっているので、

足の踏み場が分かりません。

 

ザトウムシの触覚のように

足で足場を探ってから体重をかけつつ

移動していきます。

細い道幅な上に崩壊中の谷なので、

足が置ける場所が限られています。

 

手はロープをつかむしかない箇所もあり、

でもそのロープがゆるゆるで、

ピンと張らすために何重もロープを

右手に巻きつけ、少し進むたびに

そのロープを解きながら進む。

そんなんやったことなかったんですが、

切羽詰まったら自然にできました。

 

最後のトラバース。

この時は最後とは知らず、

もうイヤや~!!

でも引き返すものイヤ・・・。

渡りきってから、ドロドロの手で

撮影しました。

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ここも画面左の方からトラバースしてきたんですが、

正解は、一旦下りてからトラバース。

その方が楽でした。

どうせ上の方は崩壊してますので。

 

ここで谷を少し下りる途中、

立ち木に手をかけると、

それが枯れ木で

バキバキッと音を立てて

倒れていきました。

そしてその根で

後頭部をガツン!

 

枯れてだいぶ経っている木だったようで、

幸い衝撃は大したことなく

ケガもなくてよかったんですが、

ちょっとびっくりしました。

 

最後のトラバースを終え、

進行方向へ振り返ると、

なんや広い道やないか!

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普通の登山道に出た感じでした。

踏み跡もしっかりしてる。

ここで引き返す人が多いんかもしれません。

それが正解です。

 

木が倒れて歩きにくいところもありましたが、

徐々に沢の音が大きくなり、

古い標識から1時間ちょっとで

沢が見えました。

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これで一安心。

 

さて後は、この道がどこに出るか。

答えは、牛コバからの左岸を高巻く登山道、

その道が沢に出会う場所のすぐ近くに出ました。

なんややっぱりここか~。

 

それが分かればもういいです。

面白かったんですが、

この道は二度と通らない道に

リストアップされました。

特に落ち葉が多い季節から

雪が完全に溶けるまでは無理でしょう。

 

この日は晴れる予報でしたが、

昼前から雨。

大した降りではなかったんですが、

昼食はモミの木陰でとりました。

 

帰りは牛コバへ続く奥の深谷左岸を

高巻く登山道。

 

昭文社の地図には

危険マークがあり、

以前は少し怖かった箇所も、

午前中のトラバースの連続に比べれば、

全然大したことない!

 

ロープが渡してありますが、

一度もロープに触らずに渡れました。

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雨が降ったからか、

涸れ沢に水が。

 

上を見るとこんな滝でした。

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以前はこの道の特に下りが

少し急でイヤでしたが、

午前中のトラバースに比べれば、

全然大したことない!

踏み固められていて

歩きやすい登山道だということが

よく分かりました。

 

ジグザグの九十九折は、

少し分かりにくい箇所もあるので

注意が必要ですが。

 

さて、この日の目的は

奥の深谷右岸の道を歩いてみることと、

先週に引き続き、ナメコ採り!

まあまあいただきました。

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落ち葉をかぶったナメコ。

これは少し古い。

傘の裏側のヒダが白ければ新しい。

古いのは茶色く変色しているので、

採りません。

ヒダが白くても、ナイフで切り取った

柄(石づき)が茶色く変色していれば

古いので持ち帰りません。

柄が白いのを選んで持ち帰りました。

 

こんな高いところにも生えていて。。。

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梯子があればなぁ。。。

と、あきらめたんですが、

帰宅後ネットで見ていると、

ナタを持って行って、

木の枝先を削ってナイフ状にし、

それで削り落とせばいけるようです。

なるほどね!

 

ストックの先にナイフつけるものええな。

色々アイデアが浮かびました。

 

しかし誰も採らへんのやなぁ。。。

毒キノコと間違えたら怖いからかな。

こんなミズナラの倒木もそんなに残っていないので、

採れるのもあと数年かもしれません。

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それまではおいしくいただきます。

 

今回はキムチ鍋に入れていただきました。

ナメコの風味を味わうには

キムチの味が強すぎたかな。

でもうまかったです。

 

あと、ナメコおろしにもすればよかった。。。

また来年!

 

古い標識(「古道標」)から

奥の深谷右岸を通る道は、

全くオススメできません。

谷や沢のトラバースが大変です。

谷や沢が崩れてきていてるためです。

もし通られる際は、くれぐれもご注意ください。

 

翌日から3日間ぐらい、

左腕が筋肉痛でした。

ロープや木の根を必死につかんで

いたからでしょう。

ほんま大変でした。。。