Kyoto Nature Hiking -京都の自然、ハイキング情報-

京都の自然やハイキング情報について、京都市在住の森林インストラクターが書くブログです。3児の父。親子で山も歩いています。年に何度か日本アルプスも。

皆子山−2

つづきです。
8合目からでしたね。


8合目ぐらいから谷が急に細くなり、
前週の増水のせいか、歩く道が小さな
川になっています。


せっかく、子達の足を濡らさないように
抱っこやおんぶをしてきたんですが、
もう川の中を歩いてもらうしかありません。
こんな上まで川があるとは・・・。


結局、川は細くなりながらも9合目ぐらいまで
続いていました。
安曇川の源流の一つまで辿れたし、
これはいい経験やで!と
プラス思考で濡れて気持ち悪くなった
足元を忘れさせようとしてみます。


川とお別れしてからは、
急勾配をひたすら登ります。
真っ直ぐ登るとしんどいので、
ジグザグに歩きながら徐々に
登っていきます。


そして、やっと頂上に着きました。
武奈ヶ岳が見えます。

ここで子達の靴と靴下を脱がせて
足を乾かします。「あぁ、気持ちいい」と
言うてました。靴の中が濡れてると、
気持ち悪いよなぁ!新しい靴下に履き替えよ。


でも、僕の靴はびしょ濡れで、
靴下を絞るとぞうきんのように水が
ボタボタ落ちます。
自分の靴下は持ってこなかったなぁ・・・。


さて、ここからが今回の反省です。
頂上へ着いたのが、なんと15時すぎ!
下山してていい時間です。


こんな時間から下山したこともあり、
途中で道を間違え、引き返すべきところを
引き返さず、強引に道なき道を下り、
危うく滑落しそうな箇所を何とか下り、
林道へ下山した時には18時半ぐらい。
暗くなる手前でした。
遭難しかけですね・・・。


以下は初心者が犯しやすい間違いと
反省点です。何かの参考になれば
幸いと、恥をしのんで書いてみます。
慣れておられる方はアホらしいので
スルーしてください。


・行動予定の計画をたてていなかった。
 何時頃に登り始めて、山頂へは何時。
 下山は何時の予定というものです。
 おおまかでも把握しておく必要がありますが、
 前週の通い慣れた八丁平と同じ感覚で、
 計画をたてていませんでした。


・出発時間が遅すぎ
 計画をたてていないから当然かもしれませんが、
 同じく前週の八丁平と同じような時間に出発
 しました。
 10時に登り始めました。遅っ!


・沢の渡渉を甘く見ていた
 前週の3日間の雨で増水していると
 予測できなかったことが甘かった!
 そして、増水していなかったとしても、
 渡渉が多いことは何となく知っていたのに、
 特に対策しなかった。
 後から考えると、わざわざ靴を脱いで
 渡渉するより、靴のまま渡渉していれば、
 かなり時間が節約できた。


・撤退も考えるべきだった
 山頂へは行かず、途中で引き返すことも
 考えるべきでした。
 でも、引き返して大きな渡渉をまた2回もするのは
 イヤやったんです。
 後から考えれば、大したことなかったんですが・・・。
 登り始めたら、何が何でも山頂へ行くのではなく、
 勇気ある撤退があってもいいという心のゆとりが
 必要です。


・道を間違えた
 山頂から寺谷に下りたかったんですが、
 寺谷に下りるには途中でコースが
 谷と尾根に分かれます。もう谷は歩きたく
 なかったので、尾根を歩こうと思っていたため、
 途中まで快適な県境の尾根を進んでしまいました。
 寺谷に下りる道は慎重に見極めるべきでした。


・引き返さなかった
 なだらかに下っていた尾根が急勾配になり、
 おかしいなと思ったときには、
 引き返すとかなり時間がかかるようなところまで
 下りてきていました。
 登りで散々渡渉を繰り返し、増水を身にしみて
 体感していたので、下りた後の百井川も
 当然増水していると考え、できれば橋を渡りたい思いました。
 地図で見ると、寺谷の橋まで何とか
 トラバース(山の斜面を横断すること)しながら
 下りれそうな気がして進んでみることにしました。


 実際は、トラバースできそうなところよりも
 100mぐらい下からトラバースし始めたため、
 きっつい下りが待ち構えていました。


 谷底へ滑落する危険があるような箇所では、
 安全な大木の根元に子一人を待たせて、
 一人ずつ慎重に下りたため、とても時間がかかりました。
 素直に引き返した方が時間はかからなかったはずです。


・皆子谷方面へ下りるべきだった
 県境尾根が急勾配になってから、
 橋がある寺谷に下りたかったので
 尾根を南東へ下りたのですが、キツかった!
 ここを南西に下りるべきでした。
 ちょうど1年前、皆子谷の裾(雨だったので裾だけ)
 を歩いた際、この県境尾根に通じる尾根道の下を
 歩いたことがあったんです。皆子谷に併走する尾根です。
 その時の記事はこちら。
 その尾根を下って、皆子谷近くに下りれば、
 滑落しそうな谷に下りなくて済んだはず。
 とにかく早く下りたくて、冷静な判断力を失って
 いたことが一番の反省点です。
 

あまり参考にならないかもしれませんが、
よかった点も書いておきます。


・子2人がグズったり、わがままを言わなかった。
 子達を不安にさせるような態度はとらなかった
 つもりですが、ふつうやないことは分かっていたはずです。
 僕を困らせても余計にしんどくなることが分かっていたのか、
 素直によくがんばってくれました。


・ヒルにやられなかった
 これは助かりました。大変な時にヒルに血を吸われると
 子どもならパニックになっていたかもしれません。
 ヒルは登山口の車道の側溝で見かけたのと、
 上の子が途中で1匹見かけたのみです。冬眠明け
 ギリギリやったんでしょう。
 靴に塗布した虫除けスプレーは、登りの渡渉で
 すっかり落ちていたはずです。


・筋トレを再開していた
 一番下の子がグズるからという言い訳で、
 筋トレをしばらくサボっていたんですが、
 GW明けから再開していたので、激下りでの
 踏ん張りが 効いたんやと思います。
 再開しててよかった・・・と思いながら踏ん張ってました。


・沢伝いに下りなかった
 遭難でよくあるのが、谷に下りてそのまま
 沢伝いに下りようとして、滝などで足を滑らせて
 滑落するというパターンです。
 沢伝いに下りるのは危険なので、人工林の中にある
 獣道のトラバースを辿りながら徐々に下りていきました。


 百井川が近づいて、寺谷の橋を渡るのは断念しました。
 橋にたどり着くまでの急勾配をこれ以上
 下りるのは危険やという判断です。


 そして、ようやく百井川に下りました。
 川は思ったより増水しておらず、浅い場所を
 探してひざ下までしか浸からずに渡ることが
 できました。今回は靴を履いたままだったので、
 簡単に渡れました。
 川を渡れば林道で、無事に下山できて一安心しました。
 子2人を「よーがんばったなぁ!」とほめまくります。



以上、今回の反省点です。
もう急傾斜のきっついところを下りるのは
一人でもやめときます。


皆子山はいい山でした。
今度はまたヒルのいない時期に一人で
行ってみたいです。