Kyoto Nature Hiking -京都の自然、ハイキング情報-

京都の自然やハイキング情報について、京都市在住の森林インストラクターが書くブログです。3児の父。親子で山も歩いています。年に何度か日本アルプスも。

北海道の遭難事故について

いまさらですが、7/16北海道
トムラウシ山での遭難事故についての
コメントです。


まずは、亡くなられた方々のご冥福を
お祈りいたします。


遭難したのは、ガイドがつくツアーでしたが、
私はガイドが素人だったのではないかと
考えています。
実際、初ガイドとの報道も見かけました。


最近よく見受けられるのですが、
どんなガイドが案内するか分からない
登山・ハイキング・トレッキングツアーが
あります。
こんなツアーに参加するのは、ギャンブル性が
高いと思われます。


確かに経験豊富なガイドが案内することが
多いのでしょうが、何かトラブルがあった時に
その代役としてたてられるのは、経験が少ない
素人に近いガイドということも実際あるのでは
ないでしょうか。


ガイドツアーが定着している、世界自然遺産
屋久島では、大体の業者がガイド全ての
写真と経歴を紹介しています。


せっかく高いお金を払って、1日以上案内して
もらうんですから、ガイドがどんな人か
知りたいのは当然の欲求です。


だた「経験豊富なガイドがご案内・・」などと
書かれているのを見ると、私は怪しいなぁ・・・と
考えてしまいます。
「経験豊富」かどうかは、客観的なデータや
プロフィールを見て、こちらが判断するもの
ですからねぇ。


先日、たまたま読んだ山関係の雑誌で、
アルプスの山岳ガイドをされている30代の男性が、
「案内するのは1人か2人と決めている。何かトラブルが
あった時、自分で面倒を見切れるのは1人か2人だけだから。」
とコメントされていました。
これこそプロだと思った矢先の事故でした。


まだまだ数少ないですが、山の案内は、
高額でも参加される層が確かにおられます。
そんな層を狙ったツアーが今回遭難したような
ツアーなのではないかと思ってしまいます。


案内するガイドは、“ここで中止しては
売上が確保できない”との思いが多少なりとも
あったのではないかと思います。
客の安全より利益を優先した結果なのではないかと。


自然が相手ですので、利潤の追求を最優先する
営利企業では生き残っていけない世界ですね。


山でのガイドツアーがどんどん一般的になれば
いいと願ってはいますが、今回のような事故が
残した教訓を活かしつつ、顧客の安全を
最優先する仕組が早く出来上がって
欲しいものです。