Kyoto Nature Hiking -京都の自然、ハイキング情報-

京都の自然やハイキング情報について、京都市在住の森林インストラクターが書くブログです。3児の父。親子で山も歩いています。年に何度か日本アルプスも。

シカを食う!

4/15(日)、友人家族とBBQをしました。


その際、牛肉や豚肉、魚介類とともに
シカ肉も食べたんです。
特に鹿刺しがめちゃくちゃうまかったです!
購入したのはこちら↓↓


でも、子どもが多かったので、
生は怖いなということで、
刺身は大人が数切れ食べたたけで、
後は味付けをしてから焼肉にしました。


刺身用のシカ肉だけあって、
やはり刺身の方がおいしかったです。
しょうが醤油にすりおろしニンニクが最高でした。
ちなみに、焼肉にはもも肉などが適しているようです。


今回買ったのは、京都府の和束という
宇治茶の産地にあるシシ肉・シカ肉の専門店で、
地元で獲った肉のようです。
買いに行くには遠かったので、
ネット通販で送ってもらいました(送料¥800)。


なんでBBQにシカ肉やねん!?
という話ですが、
以前からこのブログでも書いていますように、
山でシカが増えすぎて大変なことになっています。


・林床のササや若木がシカに食い尽くされていて、
 次世代の木が育っていない。
 ⇒今ある木が年老いて倒れると、地面を捕まえていた
  根がやがて腐り、土砂崩れや鉄砲水を引き起こす。


・今ある木の樹皮がかじられて、
 枯れてしまったり、寿命が縮む木がある。


・植樹や植林したときには、シカに苗木を
 食べられないようネットで囲うなど、
 結構な対策費用がかかる。


・シカの食べない有毒植物ばかりが
 残った森になりつつある。
 アセビ、シキミ、トリカブトバイケイソウなど。
 (大木になり森の主要樹種にはなれない木や草ばかり!)


・シカによる農作物の被害だけで71億円の被害額。
 (2009年)。これに林業の被害も加わる。
 さらに、農地や人工林以外でも上記のような
 被害が広がっています。
 ⇒被害総額は簡単にはじき出せない。


シカは京都府だけで年間8,000頭も
有害駆除ということで処分されています。


小さな食肉処理施設ができた美山は別として、
ほとんどの撃ち殺されたシカは、
有害駆除の補助金を得るため、
写真を撮られて、歯を抜かれると
そのまま放置されていることが多いようです。


動物や昆虫のエサにはなりますが、
せっかく人間がおいしく食べられる肉なので、
できるだけ食べたほうが、撃ち殺された
シカへの供養にもなると思うんです。


そうするには、もっと多くの人がシカ肉を食べて、
需要を増やさないといけません。
そうすると、価格も安くなり、ひょっとしたら
町のお肉屋さんやスーパーで買えるようになるかも
しれない。
わざわざ和束や美山まで買いに行く必要がなくなって
ほしいです。


また、現在猟師さんは兼業がほとんど。
純粋に猟師だけで食うている専業猟師は
日本にはいないでしょう。
イノシシやシカ肉の需要が増えることで
専業の若い猟師さんが出てくることを
期待しています。


そうでもしないと、猟師さんがいなくなって
しまいます。減り続ける猟師は絶滅危惧種です。


増えすぎたシカの数を調節するには、もはや
猟師さんが撃つか、オオカミを導入するしか
ないです(他によい案があればお教えください)。


オオカミは人間を襲うことはまずないと
言われていますが、導入することはたぶん
今の日本では不可能でしょう。
万が一の際、誰が責任を取るのかという話に
なってしまいます。



話が重たくなってしまったので、
再びシカ肉の話。


シカ肉は、牛肉と比べて
カロリーと脂肪分が少なく、
高タンパク質で鉄分も豊富!
というヘルシー肉です。


具体的には、
☆カロリー :3分の1
☆脂肪   :15分の1
たんぱく質:1.7倍
☆鉄分   :2.3倍


女性にうれしい数値が並んでいますね。


ということで、まだシカ肉を食べたことがない方は、
GWの焼肉の際にでもぜひ食べてみてください。